Camera : SONY U-10
(C) Kouichi Suzuki



2003.2.2

1981年4月12日。
世界中から多くの人々が固唾を呑んで見守る中、人類初のスペースシャトルオービター「コロンビア」が、ゆっくりと大地を離れ、周回軌道へと打ち上げられました。人類が、また一歩、宇宙へと近づいた瞬間だったと・・・当時、多分に漏れず「宇宙好き」「SF好き」であったワタクシは、ひどく興奮したものでした。その白く優雅な機体が閃光を放ちつつ天空の高みへと突き進んでゆく姿は、それは確かに未来への「夢」や「希望」を象徴するものであった様に思えるのです。
2003年2月1日。
世界中の多くの人々がすでにスペースシャトル計画に関心を失いつつある中、その「コロンピア」は15日間と22時間に及ぶミッションST-107を順調に消化し、22年前のあの日から28回目の飛行を終えようとした最後の瞬間に、突如大気圏内で爆発を起こし、7名の宇宙飛行士と共に、失われました。

TV 画面には、炎に包まれ、真っ青な空に砕け散る「コロンビア」の姿が繰り返し映し出されています。世界初のスペースシャトルオービター「コロンビア」。SF少年の夢の具現化であったスペースシップは、いつの日か役目を終えた後に博物館へ寄贈され、サターンロケットに並んで人類の輝かしくも波乱に満ちた宇宙開発史の一ページを飾る事になると…根拠もなくそう信じていたワタクシにとって、空中で四散する「コロンビア」の映像は、とてもショッキングなものでありました。

今はただ、亡くなられた7名の宇宙飛行士の冥福を祈り、それでも人類が宇宙を目指し続けることを決して諦めないよう、心から願って止みません。
いつの日か、銀河の大海原を舞台にした大航海時代が必ず訪れる……照れ臭くも、ワタクシは心の中で、固くそう信じているのです。